
PMP経歴の書き方とAudit(監査):6月1日申請→6月9日承認、私のPM経歴はこうまとめました
PMPの受験資格と経歴の書き方、Audit(監査)の流れをまとめました。PMIの基準に合わせた経歴の記入例(日本語の下書き・英語)、6月1日の申請から6月9日の承認までの私のスケジュール、Audit対策チェックリストを紹介します。
パート 4 / 15
2026年6月1日の午後、PMPの受験申請書を提出しました。6月9日の夜11時に承認メールが届き、監査(Audit)はありませんでした。
第3回ではPMIへの入会からPearson VUEの予約まで全体の流れを追いましたが、今回の第4回では、そのうち2つだけを深掘りします。申請書の経歴欄をどう埋めるか、そしてAuditに当たったら何を提出すればいいのか、です。
3行まとめ:学士号があれば、直近10年以内に36か月以上プロジェクトを率いた経験と、35時間の研修が必要です。経歴はプロジェクトごとに分けて、目的・期間・自分が率いたこと・結果が見えるように書き、重なる月は1回だけ数えます。Auditは無作為ですが誰にでも当たりうるので、最初から証明できることだけを書くのが、いちばん確実な対策です。
受験資格:学歴別の必要経験と35時間の研修
PMPでは、試験を受ける前にまず受験資格の審査があります。見られるのは2つ、プロジェクトを率いた経験と、プロジェクトマネジメントの研修35時間です。
| 最終学歴 | 必要な実務経験(直近10年、重複しない期間) |
|---|---|
| 高校卒業 | 60か月(5年) |
| 短大・職業教育課程など(EQFレベル5、新設) | 48か月(4年) |
| 学士以上 | 36か月(3年) |
| PMIのGAC認定課程の学位 | 24か月(2年) |
私は学士号(経営学とソフトウェア工学のダブルメジャー)を持っているので、36か月のルートでした。ただ、私が申請した6月の時点では「直近8年以内の経験」しか認められず、2026年の改定後に「直近10年」へ広がりました。短大卒などを対象にした48か月のルートも、今回新しくできたものです。
35時間の研修:12月1日からライブ講座のルールが変わる
経験とは別に、プロジェクトマネジメントの研修が35時間必要です。有効なCAPM資格があれば、この35時間は免除されます。
- 自分のペースで進めるオンライン講座:どの機関の講座でも認められます。
- ライブ講座:講師が進行する対面・リアルタイムのオンライン授業は、2026年12月1日から、PMI認定トレーニング・パートナー(ATP)、中国のREP(登録教育プロバイダー)、認定を受けた高等教育課程で受けたものだけが認められます。
- 書籍と模擬試験:これだけでは35時間を満たせません。
ライブ講座で35時間を満たすつもりなら、まずその機関がATPかどうかを確認してください。試験形式も含めた改定の全体像は、第5回:2026年PMP改定まとめで別にまとめています。
私の経歴をPMPの基準で整理すると
PMPの申請書は履歴書とは違います。会社名や肩書きではなく、「自分が率いたプロジェクト」を1件ずつ書きます。そのため、履歴書をそのまま写すより、プロジェクト単位に広げ直してみる必要があります。
私の経歴をこの基準で整理すると、次のとおりです。会社名はそのまま残し、顧客企業の名前はすべて伏せました。
| 期間 | 会社/役割 | PMPの観点で注目したい経験 |
|---|---|---|
| 2025年3月〜現在 | Concentrix Services Korea/Global Tech PM | エンタープライズ顧客のShopifyShopifyデジタル店舗と実店舗をホスティングし、多言語翻訳、グローバル決済、カスタムアプリのエコシステムを提供する世界的なコマースプラットフォームです。Read More →・Magentoの構築と機能強化(優先順位、リスク、UAT、リリース、ローンチ後の安定化)。グローバル家電メーカーの顧客:運用バックログを104件→48件(−54%)、課題解決のリードタイムを27%短縮。グローバル・ビューティーグループの顧客:PDP生成SaaSの機能強化と、5ブランド・27のECサイトへのグローバル展開 |
| 2023年4月〜2025年2月 | Hyperhire/Software Development PM | Web・アプリ・SaaS・ブロックチェーンのプロジェクト。インド、パキスタン、インドネシア、ナイジェリア、エチオピアの開発者と分散チームで働き、要件、バックログ、マイルストーン、QA、リリース計画を管理。プライベート・ブロックチェーンの第2フェーズ、NFTリワードアプリ(ウォレット機能、リワードのロジック)、ビザサービス・宿泊予約・ファッションECのアプリ、地域通貨コインなど |
| 2021年1月〜2023年4月 | iCOOP(Natural Dream)/PM・オンライン事業マネージャー | 韓国のオープンマーケットNAVER(ネイバー)・Coupang(クーパン)への出店(営業、CS、SCM、WMS、デザイン、IT部門の調整)、SEOとキャンペーン、ESGキャンペーン(No Plastic) |
| 2020年10月〜2023年4月 | FeelBetter/創業者 | 自分で運営したEC事業。4か月で売上約5,000万ウォン |
期間を足すだけでも、36か月は余裕で超えます。でも、PMIが数えるのは会社に在籍した期間ではなく「プロジェクトを率いた」期間で、重なる月は1回分しか認められません。
重なる期間は1回だけ:私の経歴で計算してみると
私の経歴がちょうどいい例です。iCOOPで働いた2021年1月から2023年4月までの28か月は、FeelBetterを運営していた期間(2020年10月〜2023年4月)と完全に重なっています。両方の経歴を書いても、この28か月は1回しか数えません。2023年4月はHyperhireに入社した月とも重なるので、これも1か月として数えます。
運用業務と起業経験は慎重に
数字がいいからといって、何でも経歴として認められるわけではありません。PMIは、日常的な運用業務や事務作業をプロジェクト経験として認めていません。
起業経験も同じです。4か月で売上約5,000万ウォンという数字は目を引きますが、事業の運営には毎日くり返す業務がたくさん混ざっています。こうした経験を書くなら、始まりと終わり、目標がはっきりした仕事だけを切り出して、プロジェクトとして説明する必要があります。
PMIが示す経歴の書き方の基準
PMIは2026年8月28日の公式ブログ記事で、経歴1件に盛り込むべき内容を次のように挙げています。
- プロジェクトの目的
- 期間
- 自分がどう率いたか
- 誰と一緒に働いたか
- 自分が指揮した活動
- 結果
これに、公式の案内でくり返し出てくるルールを3つ加えれば、基準はほぼ出そろいます。
- プロジェクトは1件ずつ分けて書きます。複数のプロジェクトを1つの欄にまとめません。
- 職業上の環境で行った仕事だけが認められます。日常的な運用業務や事務作業は外します。
- 重なる月は1回だけ数えます。
どのくらいの分量で書けばいいか
PMIは、文字数や単語数の基準を公式には公開していません。対策サイトでは、以前のフォームはプロジェクト説明が200〜500ワード、2026年のフォームは「Role Summary」が100〜500ワードと案内されていますが、非公式の情報です。分量を合わせるより、上の6項目がもれなく入っているかを確かめるほうが大事です。
書くときのコツ
- 目的と結果は1文ずつ書きます。読んだ人が、どんなプロジェクトだったのかすぐにわかるようにします。
- 「参加した」より「率いた」「調整した」を使います。PMIが聞いているのは、自分の率い方と、指揮した活動です。
- 立上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結の順に整理すると、抜けている段階がすぐに見えます。
- 結果に数字があれば入れます。「バックログ104件→48件(−54%)」のように。
- 社内用語より、PMPの用語(ステークホルダー、リスク、UAT、リリース)を使います。
記入例:日本語で下書きして、英語で入力する
下は、私のConcentrixでの経歴のうち、グローバル・ビューティーグループの顧客企業のプロジェクトを、上の基準に合わせて書いてみた例です。実際の申請書に入力した文章を写したものではなく、履歴書の内容をPMIの形式で書き直した記入例です。期間などの細かい値は、ご自身の記録で埋めてください。
日本語での下書き
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| プロジェクト名 | グローバル・ビューティーグループ顧客企業向けPDP生成SaaSの機能強化とグローバル展開 |
| 期間 | 開始年月〜終了年月 |
| 目的 | 顧客企業の5ブランド・27のECサイトが同じPDP(商品詳細ページ)生成SaaSを使えるよう機能を強化し、グローバルに展開する |
| 役割 | 顧客企業の本社チーム、各国の事業組織、グローバルベンダー、海外の技術チームの間で、優先順位・スケジュール・リスクに責任を持つPM |
| 立上げ | 本社チーム・各国の組織と目標と優先順位を合意し、主要なステークホルダーを特定 |
| 計画 | ブランド別・サイト別の展開計画、リスク登録簿、UATの基準を策定 |
| 実行 | グローバルベンダーと海外の技術チームの開発・デプロイのスケジュールを調整 |
| 監視・コントロール | リスクと優先順位の変更を追跡し、UATの結果にもとづく修正を管理 |
| 終結 | リリースとローンチ後の安定化を主導し、ステークホルダーと結果を確認 |
| 結果 | 5ブランド、27のECサイトに展開 |
申請書に入力する英語版
Project title: PDP generator SaaS enhancement and global rollout
Dates: [start month/year] - [end month/year]
Objective: Enhance a product detail page (PDP) generator SaaS and roll it
out to a global beauty group client's 5 brands and 27 e-commerce sites.
Role: Project manager accountable for priorities, schedule and risks
across the client's HQ teams, local business units, global vendors
and overseas technical teams.
What I led:
- Initiating: Aligned objectives and priorities with HQ teams and local
business units; identified key stakeholders.
- Planning: Built the rollout plan by brand and site, the risk register
and UAT criteria.
- Executing: Coordinated development and deployment schedules with
global vendors and overseas technical teams.
- Monitoring and controlling: Tracked risks and priority changes;
managed fixes based on UAT results.
- Closing: Led releases and launch stabilization; confirmed results
with stakeholders.
Outcome: Rolled out to 5 brands and 27 e-commerce sites.
英語版は140ワードほどです。対策サイトが示す範囲に収まっていて、何より、PMIが挙げた6項目(目的、期間、率い方、一緒に働いた人、指揮した活動、結果)がすべて入っています。
先に日本語で書くと「自分が実際にやったこと」に集中しやすく、英語にするときは文を短く区切るだけで済みます。この英語の文章は、Auditのときに上司が読んで確認するかもしれません。凝った表現より、事実をそのまま書くほうがいいです。
Audit:誰が、いつ、何を出すのか
申請書を出すとPMIが内容を審査し、一部はAudit(証明書類による審査)の対象に選ばれます。PMIの資格ハンドブックと公式の案内をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 無作為に選定。ただし、PMIは誰でもいつでも(資格取得後も含む)Auditでき、PMIの職員・ボランティアの申請はすべてAudit |
| 通知 | 受験料を支払う前に、メールで |
| 提出書類 | 学位(卒業)証明書のコピー、経歴ごとの上司・マネージャーによる確認、35時間の研修修了証 |
| 進め方 | オンライン。mypmi.orgのダッシュボードにあるAuditパッケージで進め、上司はDocuSignで確認、書類はアップロード |
| 提出期限 | 90日 |
| 審査期間 | 書類をすべて提出してから約5〜7営業日 |
| 通過したら | 通過した日から1年間の受験資格期間がスタート |
| 未提出・不合格の場合 | 1年間の資格停止 |
書類を封筒に入れて郵送する方式ではなく、すべてオンラインで進みます。Auditの通知は支払いの前に届き、1年間の受験資格は、Auditを通過した日から数えます。
私の場合:Auditなしで、8日で承認
6月1日の午後2時51分に、受付メールが届きました。最後の行には、こんな一文があります。「Applicants may be selected randomly for audit during the application process.」申請の過程で、無作為にAuditの対象に選ばれることがある、という意味です。
2026年6月1日に届いたPMP申請の受付メール。最後の行が、無作為のAuditについての案内です。
そして6月9日の夜11時、承認メールが届きました。受付から約8日、体感では「1週間くらい」でした。Auditの通知はなく、次のステップである受験料の支払いの案内がそのまま書かれていました。
2026年6月9日の夜に届いた申請承認メール。次のステップは受験料の支払いだと案内しています。
2026.06.01
PMI入会・Study Hall購入・PMP受験申請
Study Hall $49 + 税 $4.90。午後2時51分に受付メール
2026.06.09
申請承認(Auditなし)
夜11時に承認メール。申請から約8日
2026.06.12
受験料の支払い
$405 + 税 $40.50 = $445.50
2026.06.13
受験資格メール・Pearson VUEの予約
受験資格メールの33分後に、7月3日の試験の予約を完了
2026.07.03
受験・PASS
2021年版の試験内容概要(ECO)には、Auditがなければ処理に約5日(暦日)かかると書かれていました。今の公式文書には、期間についての記載がありません。私の場合は8日だったので、1週間前後を見込んでおくと安心です。
Auditに当たらなかったのは、実力ではなく運です。無作為ですから。だからこそ、最初から「当たる」と想定して書くのが正解です。
Audit対策チェックリスト
申請ボタンを押す前に確認してみてください。全部にチェックが付けば、Auditのメールが来ても慌てることはありません。
- 経歴ごとに確認してくれる上司やマネージャーがいて、今も連絡がつく
- その上司が自分の経歴の説明を読んで、そのとおりだと確認できる(誇張した文がない)
- 学位(卒業)証明書のコピーをすぐに出せる
- 35時間の研修修了証がある(研修機関と時間数が書かれている)
- 経歴の期間が、履歴書やLinkedInと食い違っていない
- 重なる月を2回数えていない
- 日常的な運用業務や事務作業を、プロジェクトのように書いていない
- 申請書に書いた内容を、別に保存してある
Auditの通知を受けたら、90日以内に書類を提出しなければなりません。目標の試験日があるなら、Auditの可能性も見込んで、少し早めに申請してください。
おわりに
経歴欄は結局、「自分はプロジェクトを率いたことのある人間だ」と証明する場所です。かっこよく書くことより、上司が読んでそのまま確認できるように書くことが大切です。
次の第5回では、2026年7月9日から変わったPMP試験をまとめます。問題の構成やドメインの比重、PMBOKPMBOKプロジェクトマネジメント知識体系:プロジェクトマネジメント協会(PMI)が発行する標準ガイドで、プロジェクトを成功させるための主要なプロセス、ベストプラクティス、標準用語集をまとめたものです。Read More →第7版と第8版の違いまで、表で比較します。
次の記事:第5回:2026年PMP改定まとめ
最初から読む:PMP合格体験記 第1部:7週間の準備と、Study Hall 60%台からPASSまで
よくある質問
PMPの受験に必要な実務経験は何か月ですか?
2026年のルールでは、学士以上は直近10年以内に36か月、高校卒業は60か月、短大などEQFレベル5の課程は48か月、PMIのGAC認定の学位は24か月です。いずれも重複しない期間で数え、別に35時間の研修が必要です。有効なCAPMがあれば、35時間は免除されます。
プロジェクトの期間が重なる場合はどう数えますか?
重なる月は1回だけ数えます。2つのプロジェクトを同じ3か月間に並行して率いたなら、6か月ではなく3か月です。プロジェクトはそれぞれ別に書きつつ、期間を合計するときは重なった部分を差し引きます。
PMPの経歴は英語で書く必要がありますか?
英語で書くつもりで準備してください。試験は英語以外の言語でも受けられますが、申請書はPMIが審査する書類で、Auditに当たれば上司がその内容を確認します。日本語で下書きしてから、短くわかりやすい英語の文に直す方法をおすすめします。
PMPのAuditに当たる確率はどれくらいですか?
PMIは割合を公開していません。無作為に選ぶ一方で、誰でもいつでも、資格を取ったあとでもAuditできると明言しており、PMIの職員とボランティアの申請はすべてAuditします。確率を気にするより、当たる前提で書くほうが安全です。
PMPのAuditに当たったら、どれくらい時間がかかりますか?
通知は受験料の支払い前にメールで届き、書類の提出期限は90日です。必要な書類をすべて提出すれば、審査は約5〜7営業日です。1年間の受験資格期間は、Auditを通過した日から始まります。
参考資料
2026年PMP試験改定まとめ:変わったこと、そしてPMBOK第7版 vs 第8版
パート 5 / 15更新履歴
経歴の書き方とAudit:受験資格、経歴の記入例、筆者の6月のスケジュール。
- •2026年のルールにもとづく学歴別の受験資格
- •PMPの基準で整理した筆者の経歴と、日本語の下書き・英語の記入例
- •Auditの手続き、6月1日から6月9日までの筆者の承認の流れ、チェックリスト
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